白内障の手術 (体験記)、眼内レンズ、手術後のメガネ (はくないしょう手術、白内障手術後に起きる「後発白内障」のレーザー治療 (体験記))

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「白内障で眼内レンズ」

春の山 くっきり鮮(あざ)やか 明るくて
こうだったなあ
青春景色(けしき)


(A) はじめに
 劣化 (れっか)した目の水晶体を取り出し、人工のレンズを入れる、これは人体の器官を代替品 (だいたいひん)で置き換 (か)えることです。 心臓の弁を人工の弁に置き換えることと同類のことです。 人が長寿になるとこのような対策が必要となるのでしょう。 ありがたいことです。 ある意味、人体のサイボーグ化と言えるでしょう。 白内障は60歳代で約 70 %、70歳代で約 80 %、80歳代では 99 % の人が罹 (かか)っています。 老人に多い目の病気です。 白内障手術後に起きる、後発白内障のレーザー治療についても述 (の)べます。

 白内障の手術が終わったときの感想は、「もっと早めに白内障の手術をすれば良かったなあ!」です (^^) 。   手術が終わって近くの春の山を見ました。 山の木の様子 (ようす)がはっきり見え、色も鮮 (あざやか)やかになりました。 絵画も色が鮮明に見えるようになりました。 感激しました。 まとめると、白内障の手術をすると視野が明るくなり、色は鮮 (あざ)やかになり、くっきりと見えるようになりました。


(B) 知っていると良いこと (予備知識)

 白内障 (はくないしょう)は目の中のレンズ (水晶体)が濁 (にご)る病気です。 大部分は老化が原因で高齢者に多く見られます。 早ければ40歳頃 (ごろ)からなり、80歳以上ではほとんどの人が程度 (ていど)の差はありますが、白内障になります。 白内障になるとメガネをかけて測 (はか)る矯正視力 (きょうせいしりょく)が次第 (しだい)に悪くなります。 水晶体は直径約9 mm 、厚さ約4 mm の袋の中にあるゼリー状のものがつまった凸 (とつ)レンズです。 60歳以上になると水晶体の厚さを調整できなくなり、目の遠近調節機能はなくなります。
治療は生まれつきある水晶体を人工的なレンズ (眼内レンズ)に置き換える手術です。 このレンズは歴史的に古いものから硬いアクリル樹脂、シリコン樹脂、柔らかいアクリル樹脂で作られています。 柔らかいアクリルは小さく折りたたむことができ、折りたたんで手術で開 (あ)けた小さな穴(約3 mm)から中に入れ広げて、人工的なレンズ (眼内レンズ)となります。 この穴は黒目と白目の境目 (さかいめ)付近に開 (あ)けます。 眼内レンズの直径は約6 mm で、そのまわりに固定するための2本の足が付いています。 足の部分も含めると大きさは約 13 mm です。 眼内レンズは度の強い (+14 D (ジオプトリー)程度。)凸 (とつ)レンズです。 眼内レンズには遠近調節機能はありません。
 1980年頃 (ごろ)はまだ眼内レンズを入れずに、白内障の手術をすると、分 (ぶ)の厚い (度の強い)凸 (とつ)レンズのメガネをかけたり、コンタクトレンズをしていました。 眼内レンズは1949年にイギリスで発明されました。 現在は、よく使われる単焦点 (たんしょうてん)の眼内レンズと多焦点の眼内レンズがあります。 単焦点眼内レンズはくっきりと見えます。 焦点があわない距離はメガネを用います。 多焦点眼内レンズはいろいろな距離が見えますが、もうひとつ くっきりとは見えません。 多焦点眼内レンズでもメガネをかけた方が楽に見えることもあります。 多焦点眼内レンズには同心円状の縞 (しま)のある回折型と曲率が異なる部分が分かれている分節状屈折型があります。 多焦点眼内レンズを入れると眼底が医師から見えにくくなり、将来、加齢黄斑変性、緑内障、糖尿病性網膜症などの病気になったときに困るそうです。 多焦点眼内レンズは明るい光源を見るとグレア (光源が長く伸びて見える。)やハロー (光源のまわりに輪が見える。)が現れることがあります。 私はくっきりと見えることをとって単焦点眼内レンズを入れました。
1995年頃 (ごろ)に私の父母が白内障の手術をしたときには、もう眼内レンズを入れました。 片眼だけ早く手術して1日だけ入院したそうです。 もう片方の目は母は約2年後に、父は亡くなってもう片方の目は手術しませんでした。 妹は日帰り手術をしました。 白内障の手術は年齢制限はありませんが、気力・体力が十分にある75歳ごろまでに行うほうが良いでしょう。 水晶体は年をとってくると、ゼリー状からチーズ状、鰹節 (かつおぶし)状へと硬くなります。 水晶体が硬くなると角膜の1番内側にある内皮細胞や水晶体が入っている袋 (嚢 (のう))を傷つけるなどの手術のときのリスクが高くなります。
 普通の加齢性白内障は水晶体の周辺から中心に向かう白い混濁 (こんだく)が生じます。 糖尿病性白内障ではレンズの後 (うし)ろの膜 (まく)あたりに混濁が見えます。 強度の近視の場合は水晶体の中央を占 (し)める水晶体核が茶色に変色して曇 (くも)ります。
 水晶体の厚みは約 3 mm ですが、眼内レンズの厚みは約 1 mm と薄いものです。

日帰り手術や入院しての手術で行います。
車の運転が眼帯をしていると出来ないので、自分だけでは運転できません。 誰 (だれ)かに運転してもらうか、公共交通のバス、タクシー、自転車、徒歩などで通院できるときは、日帰り手術で良いでしょう。 それが困難な時には入院しての手術が適しています。 点眼 (目薬を点 (さ)すこと。)は大切です。 入院していると看護師さんが定期的に行ってくれます。 入院患者同士で話すといろいろ参考になります。
私は4泊5日の入院をして両眼とも手術しました。 1日間を置いて片方の目ずつ手術しました。 両眼とも全 (まった)く同時に手術するとガーゼの眼帯で何も見えないので、片方ずつ手術をします。 手術前の目薬は感染症を防ぐためです。 手術後の目薬は感染症・炎症を防ぐためです。 手術直前の目薬 (点眼)は瞳 (ひとみ)を開かせたり、目の麻酔 (ますい)のためです。 眼球の角膜と水晶体 (レンズ)の間に虹彩 (瞳 (ひとみ))があるので、水晶体の手術をするときには虹彩 (瞳 (ひとみ))を目薬で開かせます。

手術前の矯正視力 (きょうせいしりょく)は右の目が0.9で左の目が0.7でした。
自動車の運転免許証の更新が安心してできるようにと考えて白内障手術を決めました。 参考までに、自動車の運転免許 (普通自動車免許)には、矯正視力 (きょうせいしりょく)が両眼で見た場合は 0.7 以上、片眼ではそれぞれ左右とも 0.3 以上あれば OK です。 両眼で見た場合は 0.7 以上で片眼が 0.3 未満の場合は、視野検査があり、視野が左右 150 度 以上あれば OK です。 原付バイクの場合は、矯正視力が両眼で 0.5 以上で、片眼が見えない者は他眼の視野が左右 150 度 以上で矯正視力が 0.5 以上となっています。

早めに手術時期を決めましょう! 理由は、
(1) 手術の予約が数ヶ月待ちのことがよくあります。
(2) 白内障の手術後約3ヶ月間は、視力が安定しないことがあります。


たとえば運転免許証の更新の直前に白内障手術のために眼科の病院に行くと、間に合 (あ)わなくなります。

手術後、目の傷(きず)が治 (なお)るのに約1ヶ月かかります。 それまでは強く目を押さえたりしないようにします。 手術後、視力が安定するまでには1ヶ月〜3ヶ月かかります。 近年は手術傷が小さいので1ヶ月〜2ヶ月で視力が安定するようになりました。


(C) 白内障手術と手術後

 「手術前日」
手術の3日前から抗生剤の目薬を1日4回 点(つ)けます。

 「入院1日目」
左目の白内障手術があります。
直前の食事は軽めで、水分も控 (ひか)えめにします。 手術中にトイレに行かないようにします。 抗生物質を手術前の食後に飲みます。 手術の2時間前から瞳 (ひとみ)を開く目薬 (点眼)を開始します。 当日は入浴は出来ません。
手術中は瞬 (まばた)きが出来ないように処置 (器具を用いて。)されます。 もう1つの目は軽く瞬 (まば)きしても大丈夫 (だいしょうぶ)です。 上を見た状態でベッドに横たわります。
 上の眩 (まぶ)しいほどの明るい光を手術中は見続けます。 手術のメスなどは眩 (まぶ)しくて見えませんので恐怖心は起きません。 麻酔 (ますい)の目薬をするので、痛くはありませんでした。 ご安心ください! 麻酔は注射ではありません。 普通の目薬と同じ様 (よう)に垂 (た)らすものです。 手術時間は10分〜15分で終わります。

 「入院2日目」
手術した直後から付けていたガーゼの眼帯をはずして、プラスチック眼帯だけにします。 プラスチック眼帯は手術した目を保護するもので、それを着用したままで室内や外の景色を見ることが出来ます。
このとき、白内障手術をした目では
(1) 視野が明るくなりました。
(2) 色が鮮 (あざ)やかに見えるようになりました。
(3) 視力が良くなりました。
(4) まだ手術をしてない右目に比 (くら)べて、1時的に青っぽく白壁などが見えます。 これは高齢者の水晶体は黄色〜褐色 (かっしょく)に変色しているのが原因です。 眼内レンズは黄色のもありますが、無色透明のものが多い。 両目とも手術が終わると、白壁などは真っ白に見えます。 カメラのホワイトバランスとよく似た現象です。 カメラの場合はコンピューターが、眼の場合は脳が働いています。

青の「補色」はオレンジ色 (黄橙 (きだいだい)色)です。 茶色 (褐色)は黄色の明度が低くなった色 (黒味がかった色。)です。 これが1時的に青っぽく白壁などが見える理由です。
食事は普通に戻 (もど)ります。 水分も制限ありません。 顔はタオルで拭 (ふ)くだけで、下半身シャワーのみ出来ます。 電気カミソリは使用できます。 抗生物質、抗炎症剤の目薬を点 (つ)けます。

 「入院3日目」
首から下のシャワーのみ出来ます。 白内障手術をした左目のプラスチック眼帯も外 (はず)します。
残りの右目の白内障手術を行いました。

 「入院4日目」
右目のガーゼの眼帯を外 (はず)して、プラスチック眼帯だけになります。

 「入院5日目」
プラスチック眼帯を外 (はず)します。 首から下のシャワーのみ出来ます。 午前中に退院しました。

 手術後の視力は裸眼で左が0.1で右が0.2でした。 矯正 (きょうせい)視力は左が1.0で右が1.2でした。 新しいメガネの度数は左が- 2.5 D (ジオプトリー)で右が- 3.0 Dでした。 これは左のメガネの焦点距離 (しょうてんきょり)が- 40 cm で右が- 33 cm ということです。 - が付いているので、凹レンズ (おうれんず)ということです。 左は乱視が入っていましたが、補正は今回はしませんでした。

○ 裸眼 (らがん)の視力 = 0.4 (定数) / メガネの度数 (ジオプトリー (ディオプターとも言います。)) で大体見積 (みつ)もることができます。
たとえば - 3.0 D の眼鏡の人は裸眼では0.4 / 3.0 = 0.13 の視力になります。 -1.0 D の眼鏡の人は裸眼で0.4 / 1.0 = 0.4 の視力になります。

ジオプトリー (D)とはレンズの度数 (屈折力の大きさ)を表す単位です。 レンズの焦点距離 (しょうてんきょり)をメートル単位で表した数の逆数です。 レンズが凹 (おう)のときは - を、レンズが凸 (とつ)のときは + を付けます。 例 - 2.5 D のレンズは焦点距離を f とすれば、D (ジオプトリー)は 1/f = - 2.5 だからレンズの焦点距離 f = - 0.4 m = - 40 cm となります。 これは焦点距離が40 cm の凹レンズということです。

 レンズには球面レンズと円柱レンズなどがあります。 円柱レンズ成分は乱視の矯正 (きょうせい)に用いられます。
視力検査をすると
 完全矯正 S = -4.00 D、 C = -1.00 D、 Ax = 90度
などと書いてあります。
これは C が 0 でないので、乱視が入った目の場合です。 SはSpherical value (球面値)でCはCylindrical value (円柱値)、Axは円柱レンズのAxis (軸 (じく)角度)です。 SとCは単位は先に述 (の)べたジオプトリー (ディオプター)でAXの単位は 度 です。 Axの度は円柱レンズの軸が水平のときが 0度 で、鉛直のときが90度と定義されています。
たとえば、或 (あ)る人の目の視力が球面レンズの度数を上げていって
0.1(裸眼)、0.2(-1.00 D)、0.4 (-2.00 D)、0.6(-3.00 D)、0.7 (-4.00 D)、0.7 (-4.25 D)、0.6 (-5.00 D)
になったとします。
最高視力の0.7がでる球面レンズの度数が等価球面度数 (最高視力球面値とも言います。)です。 
 等価球面度数 (最高視力球面値) = S + C/2
の関係があります。 上の例では S + C/2 = -4.00 D + -1.00 D / 2 = - 4.50 D
が等価球面度数 (最高視力球面値)になります。

参考までに、
私の眼内レンズは参天製薬の左が+ 14.0 D (ジオプトリー)で右が+ 14.5 D のを入れてあります。 これは左の焦点距離が7.14 cm で、右の焦点距離が6.90 cm の凸レンズということになります。
 眼球の軸長 (眼軸長 (がんじくちょう))、角膜の曲率を測定し、望 (のぞ)むピントの合 (あ)う距離を考慮して(物理の幾何光学を用いて)計算で眼内レンズの度数を決めることが出来ます。

 早速メガネを病院に同居しているメガネ屋さんで作りました。 今までのフレームを使い、レンズだけ新品にしました。 白内障手術のときは始めの3ヶ月間は度数変化があることが多いので、このメガネ屋では3ヶ月以内に1回だけレンズを無料で交換してくれます (レンズ保証。)。 手術後のメガネが近視用 (凹レンズ)のときは、3ヶ月後にメガネの度数が強めになることが多いそうです。 この理由は眼内レンズの支持部 (足)がレンズを後方に押し付ける力がなくなってきて、レンズが前方に押し出され、焦点 (しょうてん)も前に移動します。 これが近視化です。 一般的には、始めの3ヶ月間でメガネの度数は(a) 度数が強くなる。 (b) 度数が弱くなる。 (c) 度数がほとんど変化しない。 (d) 乱視が変化する。 (e) 乱視がほとんど変化しない。 などがあります。 このように人あるいは目によっていろいろです。 私の眼内レンズでは近くはメガネ無しでよく見えます。 新聞もメガネ無しで読むことが出来ます。 自動車の運転や遠くを見る時と、パソコンを使用するときだけメガネを使用します。 近距離用の眼内レンズなのでメガネは2つ (遠方用とパソコン用)があると良いでしょう。 テレビを見るには遠方用のメガネを用います。 遠距離、中距離、近距離を1つのメガネで見えるようにする多焦点レンズのメガネもありますが、それぞれの視野が狭 (せま)くなるのが欠点です。 メガネ屋さんで試してみましたが、私には使いにくく感じました。 多焦点レンズのメガネは、その1つのレンズに2種以上の度数の部分がありますが、その度数の差が1.5 D (ジオプトリー) を超 (こ)えると、像の歪 (ゆが)み、揺 (ゆ)れを感じて違和感を覚える人が多くなります。 若い人はそのうち慣れることもありますが、老人はなかなか慣れないようです。 多焦点レンズのメガネをかけてスマートフォンを使っている人は顎 (あご)を頻繁 (ひんぱん)に上下させていらっしゃいました。
遠近両用メガネ (体験記)

 手術後 始めの約3ヶ月間に目の度数が変化するのは、(1) 上で述 (の)べた眼内レンズの支持部 (足)のバネが弱ることによるレンズの前方への移動 (近視化です。)と(2) 角膜をメスで切るのでそれが治 (なお)る過程で、角膜の曲率 (曲がり具合。)が変化するためです。
 眼内レンズの度数は、
(1) 遠方がよく見えるようにする (遠距離用)。
(2) パソコンなどがよく見えるようにする (中距離用 (約60 cm がはっきり見える。))。
(3) 新聞、本などがよく見えるようにする (近距離用 (約30 cm がはっきり見える。))。
の内、どれを希望するかを医師に伝えましょう。
私は(3)の近距離用の眼内レンズを入れました。 メガネをはずせば近くの文字などが、はっきり見えるのは助かります。 商品の値札 (ねふだ)や箱の小さめの字の説明書を見るときに、メガネを上にずらして裸眼で見ます。 これは便利です。 はっきり見たい場面はやはり一番、近距離が多く、遠距離をはっきり見たいのは自動車の運転時、中距離をはっきり見たいのはパソコンの使用時です。
 ピント (フォーカスポイント)が合 (あ)っている点の近くのものも実際上はピントが合っているように見えます。 写真ではよく知られていますが、目でも同じ様 (よう)に考えることができます。 被写界深度 (Depth of Field、DOF)と呼 (よ)ばれています。 その距離の被写体にピント (フォーカスポイント)を合わせたときに、無限遠が被写界深度の後端ぎりぎりに入るような距離を過焦点距離と言います。 過焦点距離をH、レンズの焦点距離をf、レンズの絞 (しぼ)り (目では虹彩 (こうさい、瞳 (ひとみ))の穴に対応します。)値をN、許容錯乱円 (さくらんえん、その位置でも点のものが円とはなっているが、ピントが合っていると見なせる最大の小さな円のことです。)の直径をcとすると、
 H = f + f ^2 / N c  〜 f ^2 / N c となります。 〜は近似的に等しいという意味です。 ^2 は2乗 (自乗)のことです。
被写体の距離を s 、被写界深度の前端をDm、後端をDkとすると、
レンズの焦点距離よりレンズから被写体までの距離が十分に大きいときには
 Dm 〜 s (H - f) / (H + s - 2f)
 Dk 〜 s (H - f) / (H - s)
となります。 これから
(1)被写界深度は絞 (しぼ)りの穴 (あな) (目のときは虹彩 (こうさい)の穴)を小さくするほど深くなる (ピントが合って見える距離の範囲が広くなる。)。 目の虹彩の穴は明るいところでは小さくなります。
(2)被写界深度はレンズの焦点距離が短いほど深くなる (ピントが合って見える範囲が広くなる。)。
これから、明るい所は暗い所よりピントが合っているとみなせる距離の範囲が広くなります。 眼内レンズで(裸眼で)ピントが合 (あ)っているところ以外は、2種類のメガネを作れば実用上OKでしょう。
視力の弱い人が物をよく見たいときに目を細めるのは、瞼 (まぶた)で絞 (しぼ)り、被写界深度を深くして、ピントが合っているとみなせる範囲を広くしています。

 「退院翌日 (よくじつ)」
首から下のシャワーのみ出来ます。 左目から涙が多めに出ています。 他の症状はありません。 手術後、目薬は約1ヶ月程度 (ていど)続きます。

 「退院2日目 (両眼の手術が終わって4日後)」
入浴・洗顔・洗髪ができるようになります。
洗髪も2回、体洗いも2回行ってさっぱりしました。 この日頃から涙も出なくなり、自動車の運転を再開しました。 夜間の運転も特に困ることはありません。

 「手術して1週間後」
検眼で矯正視力 (きょうせいしりょく)は左目が1.2 で右目が1.2 でした。
眼内レンズの位置など特に異常はありませんでした。 抗生物質と抗炎症剤の目薬をもらいました。

 「手術して10日後」
鏡を使って黒目と白目の境界付近の手術で穴を開 (あ)けたところをよく見ましたが、手術跡 (あと)らしきものは見えませんでした。

 「手術をして4週間後 (約1ヶ月後)」
今まで抗生物質と抗炎症剤の目薬をしていましたが、今日から目を保護し、乾燥を防ぐ目薬の1種類になりました。 先生に順調だと言われました。
巻き尺 (じゃく)で焦点が合 (あ)った所の目からの距離を測 (はか)りました。
裸眼で、右目は30 cm 、左目は33 cm のところにピント (フォーカスポイント)が合 (あ)っていました。

 「手術をして1ヶ月と1週間後」
遠方用メガネに重 (かさ)ねて取り付ける+1.00 D (ジオプトリー)の凸レンズを用いると、パソコンの画面がよく見えます。 これはダイソーなどの100円ショップで老眼用に販売しています。 最近はもっぱらこの跳 (は)ね上げ式の老眼鏡 (凸レンズ)を遠方用メガネに付けてパソコンを使っています。 この跳ね上げ式の取り付けるものはサングラスになるものも販売されています。

 「手術をして1ヶ月と2週間後」
眼鏡 (めがね)屋さんで視力を測 (はか)りました。 裸眼で右が0.1 で左が0.1 でした。 手術直後は右が0.2で左が0.1でした。 現在の私に合 (あ)ったメガネの度数は今日測定して、手術直後に作ったメガネの度数と変化していませんでした。 上で述 (の)べた (c) 度数がほとんど変化しない。 になっているようです。 眼内レンズを入れた両眼の近視の度数は手術直後と大きくは変化していませんでした。 もう少し後日の測定を待つことにします。

 「手術をして
2ヶ月後
眼科で矯正視力 (きょうせいしりょく)を測りました。 右が 1.2 で左も 1.2 でした。 目を保護し、乾燥を防ぐ目薬 (1種類)を1ヶ月分もらいました。 メガネ屋さんで目の度数を測ってもらいました。 その結果、手術直後に作ったメガネは、今でも大丈夫 (だいじょうぶ)と言われました。 手術直後と目の近視の度数はほとんど変化していません。

 「手術をして3ヶ月後」 (メガネの度数が安定した時。
眼科で眼鏡処方箋 (せん)をもらいました。 右目は球面 -3.25 D、左目は乱視があって球面 -2.75 D、乱視は円柱 -0.50 D 軸 180 度でした。 今回はこれに従ってメガネのレンズだけ交換しました (遠方用メガネ)。 レンズ保証で無料でした。 手術直後と比べて右目、左目とも 0.25 D (ジオプトリー) 近視の度数が強くなっていました。 前に述 (の)べた 手術後のメガネが近視用 (凹レンズ)のときは、3ヶ月後にメガネの度数が強めになることが多いそうです。 に一致しています。
パソコン用の目から距離 60 cm のところにピントが合 (あ)ったメガネも作りました (パソコン用のメガネ)。 パソコン用のメガネのレンズは右目は球面 -1.75 D、左目は乱視があって球面 -1.25 D 、乱視は円柱 -0.50 D 軸 180 度でした。 遠方用のメガネのレンズと比 (くら)べてパソコン用のレンズは右目は 1.5 D 、左目も 1.5 D だけレンズの度数が弱くなっています。 遠方用とパソコン用の2種類のメガネを作りました。 読書のときは眼内レンズだけでよく見えます。 テレビを見るには遠方用のメガネを使います。
巻き尺 (じゃく)で焦点が合 (あ)った所の目からの距離を測 (はか)りました。
裸眼で、右目は31 cm 、左目は28 cm のところにピントが合 (あ)っていました。
昼間の室内の明るさでは裸眼で、右目は26〜35 cm 、左目は25〜30 cm のところで実際上ピントが合っているように見えます (前に述 (の)べた被写界深度です。)。
 検査用のレンズでの矯正視力 (きょうせいしりょく)は右目は 1.2 、左目も 1.2 です。
裸眼 (らがん)は右目 0.08 、左目も 0.08 です。
今回の私の遠方用のメガネでは右目が 1.2 、左目は 1.0 です。 パソコン用 (目から60 cm の距離のものがはっきり見える。)のメガネでは、遠方は右目が0.3 、左目は0.2 です。
目を保護し、乾燥を防ぐ目薬 (1種類)を3ヶ月分もらいました。

 「手術をして4ヶ月後」
顔を洗っても目 (左目)がしみる感じがなくなりました。 それまでは左目だけそのときに涙が出ていました。

 「手術をして7ヶ月後」
裸眼 (らがん)は右目 0.1 、左目も 0.1 です。 検眼用のレンズで矯正 (きょうせい)すると、右目 1.2 、左目も 1.2 でした。 経過は順調と先生に言われました。 目を保護し、乾燥を防ぐ目薬 (1種類)を1ヶ月分もらいました。

 「手術をして8ヶ月後」
裸眼視力は右目 0.1 、左目も 0.1 です。 検眼用のレンズで矯正 (きょうせい)すると、右目 1.2 、左目も 1.2 でした。 経過は順調で、目を保護し、乾燥を防ぐ目薬 (1 種類)を1ヶ月分もらいました。 後発白内障は出ていません。

 「手術をして10ヶ月後」
裸眼視力は右目 0.15 、左目も 0.15 です。 検眼用のレンズで矯正すると、右目 1.2 、左目は 1.0 でした。 経過は順調で、目を保護し、乾燥を防ぐ目薬 (1種類)を1ヶ月分もらいました。

 「手術をして1年1ヶ月後」
裸眼視力は右目 0.15、左目 0.1 です。 検眼用のレンズで矯正 (きょうせい)すると、右目 1.2、左目は 1.0 でした。 経過は順調で、目を保護し、乾燥を防ぐ目薬 (1種類)を2ヶ月分もらいました。 2つ目の遠近両用メガネ ニコンのストレスフリー遠近両用メガネをかけた状態で、視力を測りました。 遠方は検眼用のレンズと同様に、右目 1.2、左目は 1.0 でした。 (1つ目の遠近両用メガネ セイコーオプティカルプロダクツのプレミアム遠近両用メガネは、光学的な度数、加入度などは2つ目と同じですが、このプレミアム遠近両用メガネは遠方が右目は 1.2、左目も 1.2 でした。 1つ目の遠近両用メガネと2つ目の遠近両用メガネで、測った時期は異なりますが、遠方はほぼ同じ矯正視力になっています。)

 「白内障手術をして2年後」
右目で見ると少し白っぽく霞 (かす)んで見えるようになりました。 右目の視力が少し悪くなったようです。
後発白内障の始まりかもしれません。
 しばらく様子 (ようす)を見ようと思います。


〇 後発白内障のレーザー手術の体験記

 「白内障手術をして2年5ヵ月後 (後発白内障のレーザー手術の体験記)」
「後発白内障のレーザー手術」

レーザー手術で
3分間
直後に見えたくっきり視界


右目の視力が悪くなってきました。 右目の視力が 0.5 になりました。 見える景色も白っぽく霞 (かす)んでいます。 眼科に行き瞳 (ひとみ)を開く点眼をして診察してもらうと、やはり後発白内障でした。 その日の内にレーザー手術をしてもらいました。 手術している時間は 2〜3 分間でした。 麻酔 (ますい)の点眼 (目薬)をして行うので、痛くはありません。
(1)麻酔の点眼をする。
(2)目にレンズを押し付ける (麻酔の点眼はこのためでしょう。)
(3)レーザー光線で水晶体の後ろの膜 (まく) (水晶体後嚢 (のう))の一部 (中心付近)を切り取ります。 切り取った膜はその後体内に吸収されてしまいます。 レーザー光線を発射するとプチ プチ プチと音がします。 2〜3 分間でレーザー手術は終了しました。 手術中は前を見つめておきます。 少し揺 (ゆ)れる赤い光が見えますが、それを見続けると目が固定されないので目の前の物を見続けます (手術しないほうの目でも見て。)。 レーザーは YAG レーザーと呼 (よ)ばれる種類のレーザーです。
(4)目に押し付けていたレンズを取り去ります。
(5)目を生理的食塩水で洗います。
(6)手術後に眼圧が上がることがあるので、それを防ぐために点眼をします。
(7)手術中に痛みはありませんでした。
(8)直後の眼圧測定では 1.1 で正常でした。
(9)1週間後の診察があります。
(10)薬局で眼圧を下げる点眼薬 (1日に3回点 (つ)ける。)をもらいました。
(11)まだ瞳 (ひとみ)を開く点眼薬が効 (き)いているので、視力は十分ではないかもしれませんが、白っぽく霞 (かす)んで見えることはなくなりました。 くっきりと見えます。
(12)手術の費用は健康保険の3割負担で約¥6000 でした。
 レーザー治療の後に一過性の炎症により眼圧が上昇したり、視野に虫などが飛んでいるように見える飛蚊症 (ひぶんしょう)が生 (しょう)じることがありますが、視覚的には影響がなく、しだいに落ち着 (つ)いてきます。

 後発白内障のレーザー治療をしてから一週間後に診察がありました。 その結果、濁 (にご)りがなくなっていると医師に言われました。 レーザー治療をした右目の視力は 1.0 でした。 よく見えます。 眼圧検査の結果は正常でした。 レーザー治療の結果生 (しょう)じる飛蚊症 (ひぶんしょう)は気になるほどのものはありません。
 レーザー治療をしてから約 1 ヶ月後に視力を検査しました。 矯正視力 (きょうせいしりょく)はレーザー治療をした右目 1.2 でした。
○<後発白内障>について。
白内障手術の後に後発白内障が起こることがあります。 白内障手術では水晶体が入っている袋 (水晶体嚢 (のう))の前の部分を丸く切り取ります。 このときは水晶体嚢 (のう)の後ろの部分は残っています。 これが変性して水晶体後嚢 (のう)が濁 (にご)り、視力が低下します。 後発白内障は白内障手術後 数週間〜数年たってから発生します。 そのとき視力が低下しなければそのままでOK です。 視力が低下したときには外来治療で治 (なお)ります。 レーザーを用いて水晶体後嚢 (のう)の中心付近を切開します。 これは痛みはなく数分間で終わります。 翌日には元の視力に回復します。 白内障手術後にこのレーザー治療が必要な人は100人中1〜2人と僅 (わず)かです。 心配することはありません。

 「白内障手術をして3年 1ヶ月後」
前回の右目に続き、今度は左目が後発白内障になりました。
左目のYAGレーザーによる後発白内障手術をしてもらいました。 8ヶ月前の右目と同様なものです。 これで両眼とも後発白内障の治療が終わりました。



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写真A: 下の左の2つのメガネは30年以上前のフレーム (枠 (わく))のものです。 下の右端は約10年前、右から2番目のものは17年前のフレームです。 上方左端の茶色のレンズの眼鏡は 75 % 青色光をカットします。 その右の遠近両用メガネは 40 % 、下の右端の遠近両用メガネは33 %青色光をカットします。 下の左から2つめのレンズは 25 % 青色光をカットします。 スマートフォン、パソコン、テレビを見るときに適しています。 青色光は体内時計に影響します。 目の病気への影響は、影響しない、影響する、の両説があります。 すべてメタル (チタン製)のフレームです。 下方の左端と右から2番めの小さめの眼鏡のレンズはガラス製です。
下の右から2つ目のメガネと上の左端のメガネは目から 60 cm のところにピントが合 (あ)うものです (パソコン用です。)。 上の左から2番めのメガネと下の右端のメガネは遠近両用メガネ (遠方用のレンズと近い所用のレンズの度数の差 (加入度数)は左右とも 2.25 D (ジオプトリー (ディオプターとも言います。)))です。 他 (下の左から1番目と2番目)は遠方用のメガネです。



写真B: メガネに付ける「跳 (は)ね上 (あ)げ式のサングラス」です。 ¥100ショップのダイソーでも販売しています。 このようなもので、サングラスの代わりに老眼鏡 (凸レンズ)のものもあります。



○ <永く使用できるメガネのフレームとレンズは?>
白内障の手術をして3ヶ月ほどで目が安定した後は、メガネの度数は変わらないそうです。 高齢になりメガネ屋さんに行くのもそのうち大変になるかも知れません。
「長持ちするメガネ」を作っておくと良いでしょう。 私の経験では同じメガネ (2個)を30年以上使ったことがあります。
それはメタル (チタン)のフレームとガラス製レンズでした。 チタン製フレームとガラス製レンズのメガネを作っておけば一生使えるかも知れませんね (^^)。 プラスティック製のフレームは経年劣化で折れたりします。 ガラス製レンズはキズが付きにくい。 今はプラスティック製のフレームが多くなっています。 これは流行でしょう。 そのうちメタルのフレームがまた増えるかも知れません。 レンズはプラスティック製のものが主流になっています。 これは流行ではないと思います。 でも、種類は少なくてもメタル (金属)のフレームやガラスのレンズも販売されています。

○ <メガネがずれて鼻眼鏡にならないようにするには?>
夏など汗をかくとメガネが下の方にずれてしまいます。 なんとなく勝手が悪く感じます。 これを防ぐには私の長年の経験では、フレームの顔の側面の部分を内側に曲げる (丸める)とこれを防ぐことができます。 メタルのフレームのときは簡単に自分で行うことができます。 どうぞお試しください。

○ <メガネの消耗品は>
メガネの消耗品は鼻当 (あ)ての部分と耳のところのプラスチックです。 これはメタルのフレームの場合です。 鼻当ての部分は無料で新品に交換してくれる店もあります。 耳のところのプラスチックは約¥500 で交換してくれます。 金属部分は何10年でも使用でき、愛着が湧 (わ)きます。 プラスチックのフレームのときは部品を交換できません。


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